プレステ感想録

遊んだプレステ(PS1)ゲームソフトの感想を記録するために作成したブログです。

I.Q FINAL(アイキュー ファイナル)【PZL】面白い - カンタンそうで手応え十分。シンプルで自由度の高いパズルゲーム

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  • タイトル:I.Q FINAL(アイキュー ファイナル)
  • ジャンル:パズル
  • 面白さ:面白い

カンタンな総評

難しさと出来そう感の塩梅が絶妙なパズルゲーム。見た目もシンプルさも帰って、プレステ特有のポリゴンの粗さを軽減し、オシャレにも見える。

グラフィックはシンプルなのにBGMは壮大で、なんかすごい事をしてる感がプレイ中も楽しい。

今遊んでも十分に面白いゲームだと個人的には思う。

ゲームに向いている人

パズルゲームだがルールも大して難しくない。そのうえ1ステージ、いわゆる「正答」が出来なくても、力技で押し通せるので、パズルが苦手な人の方がかえって、達成感や高揚感があり面白く感じるかもしれない。

もちろんパズルが得意な人でも楽しめるとは思う、たぶん。

多くの人が楽しめるゲームだとは思うが、強いて言うなら適度に頭を使うことが好きな人ならパズルが苦手でも楽しめるだろう。

雑感

このゲームとの出会い

私は以前このゲームを持っていた。
 
持っていたと言っても同じものではなく、最初に発売された無印のI.Qであった。
 
当時プレステの供給過剰なソフトがブックオフで100円で売られていた時代、I.Qもsonyが販売しよく売れたという点で、類似しているグランツーリスモと同じ100円ソフトの仲間だった。
 
どこにでも置いてある有名なゲームのひとつだったので、有名作ならとりあえず買ってやってみようということでやってみたのである。
 

正答を出す快感を残しつつ、力技でも進められる、"詰ませない"絶妙な難易度、ゲームデザイン

このI.Q FINALは面白い。まず、大体の人がプレイしても面白いと感じると思う。
 
その大きな要因がこれがパズルゲームでありながら、力技でも進められる絶妙な難易度、ゲームデザインにあるだろう。
 
色々なパズルゲームがあるが、テトリスしかりぷよぷよしかり、世間に受け入れられているパズルは、『正答』が存在しながら、力技でも楽しめるという要素がある。
 
もちろん『正答』すればそれだけゲームが有利になるし、何より爽快だ。
 
しかし正答を考えられる人しか進められないとしたら、それは選ばれた人にしか楽しめないゲームになってしまう。
 
ブサイクなクリア方法だろうが一人でゲームを楽しむ場合、自力で進められることの方が喜びが大きいんじゃないかと個人的に考える。
 
単純に正解するだけでなく、失敗し試行錯誤し、1歩・0.5歩・0.25歩とゆっくり進む「努力」を許してくれる楽しさがこのパズルゲームにはある。
 

苦手なほどパズルゲームは面白い

私ははっきり言ってパズルが早く解ける方ではない。でもパズルゲームは好きでナンプレ四川省とかをやったりしていた。
 
本当に上手い人はとんでもないスピードで解答するのだろうが、ただ早く解答することだけが楽しむ方法ではない。
 
むしろ、パズルが上手い人はカンタンな問題はすぐ解けてしまうのでまさに「赤子の手を捻る」ようなもの。つまらなく感じるだろう。
 
しかしパズルが苦手な方が、かえってカンタンな問題でも解けると達成感があるのだ。
 
パズルが難しさを求める人だけに向けただけの存在ならカンタンな問題など存在しないだろう。
 
対象はパズルによって異なるだろうが、少なからずこのI.Qというゲームは広い層の人が楽しめるゲームだと思うので、パズルに自信がない人にもオススメである。それで解けなくても責任は持たないが。
 

発売から時間が経っても感じられる「洗練さ」

個人的にはPSのカクカクしたグラフィックは大好きなのだが、いまのゲームに慣れた人が古臭さを感じて敬遠する理由もわかる。
 
古臭さを感じるのはグラフィックだけでなく、発展段階における野暮ったいUIとか、CDの容量的にボリューム不足が否めない内容だとか、そういったことも関連しているように思われる。
 
当作品はボリュームを当時の限界ギリギリまで詰め込むのではなく、逆にグラフィック、システム、内容の面でも最小限まで削ぎ落とすことによって、2020年現在でも「洗練さ」を感じることができる。
 
新しいものに比べて見劣りしないことは絶対にないのだが、それでも初めてプレイする時にその他PSゲームと比較してスッと入りやすいだろうなと個人的には思った。
 

新しい解き方を学ぶ、勉強モードでより深く楽しめる

法則を見極め純粋な発想力だけで解くのが1番快感なのだろうが、それは誰しもに備わった能力ではない。
 
このゲームでは解法の法則を学べる「勉強モード」が備わっており、計算ドリルを解くように答えと解き方を学ぶことができる。
 
どうしても自分では考えつかない解き方も、100問も用意されてる問題を解いていけば、より深く楽しめるようになるのだ。
 
「I.Q FINAL」は「I.Q」というゲームをより楽しめるよう設計された素晴らしい続編であると私は考える。

お役立ちリンク

www.nicovideo.jp

エンディングの英語がわからない人はこちらの動画に字幕コメントがあるので参考になれば。私はこの動画をほとんど見てないので一切わからないままだが…。

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 ------記:2020/01/13

 

 

 

 

バックルアップ!(BUCKLE UP!)【CAR】面白くない - 劣化版ランナバウト。車のグラだけは悪くない。

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  • タイトル:バックルアップ!(BUCKLE UP!)
  • ジャンル:車ゲー
  • 面白さ:面白くない

カンタンな総評

 劣化版ランナバウトというほかない。ステージも少なく、壊せるものも少なく、乗れる車自体はそこそこあるが操作性も悪く、問題が多い。

 ランナバウトの情報を知った関係者が便乗して開発させたとしか思えない粗末なクオリティ。その割には中古価格がそこそこ高いので、購入を検討している人は注意されたし。

------記:2019/10/19 23:03

ゲームに向いている人

 他のゲームを全くプレイしたことがない子供。ただ場合によってはゲームが嫌いになるかもしれないので注意が必要。

雑感

割と高めな中古価格

 私はこのゲームをブックオフでたしか500円くらいで買ったのだが、2019年10月19日現在、駿河屋( https://www.suruga-ya.jp/product/detail/140001130 )での取り扱い価格としては1,510円となっている。ちなみAmazon( https://www.amazon.co.jp/dp/B000069UHR/ )では1,660円だ。

この他に同じ価格帯に並ぶゲームは、ファイナルファンタジーコレクション( 1,598円 - https://www.suruga-ya.jp/product/detail/140001822 )、トロンにコブン Best版( 1,590円 - https://www.suruga-ya.jp/product/detail/140004309 )、メタルスラッグX( 1,590円 - https://www.suruga-ya.jp/product/detail/140003044 )と有名良作ゲームが連なっている。

 最初このゲームを買った時は多少のプレミアもついてるし私が車ゲーが好きということもあり、非常に期待値が高かった。さぞこれだけの値段がついてる分、面白いゲームなのだろうと。

ブログを始めたきっかけ

 私はこのゲームをクリアした。なんとかクリアしたが同じ気持ちになっているプレイヤーはいないのかと思いネットの海を航海したのだった。

 しかし、思っていたよりずっとマイナーゲームなのか、望んでいるような感想とは出会えなかった。あのゲームカタログ@wikiにさえ掲載がないゲームなのだ。

 それがこのブログの始めようと思ったきっかけのひとつでもある。

 今までEvernoteなんかに感想をチョイ書きしていたが、せっかくだから同じ気持ちを抱いてる人と共有できたら楽しいじゃないかと思えた。

 だからこのゲームをプレイしたことも私にとって、ひとつ成長する機会を与えてくれた特別な作品なのだ。

はっきりいって面白くない

 このゲームをひとことで表すなら『劣化版ランナバウト』。これに尽きる。

 ランナバウトの発売が1997年5月23日、本作バックルアップ!の発売日は1998年1月29日。

 日付はあまり離れていないものの、本作のボリュームや作りの粗さから考えるにランナバウトの体験版をプレイしたか、雑誌なんかで情報を見たディレクターだかプロデューサーなんかが売れそうだと思ってパクったのだろう。

 しかしあまりにお粗末なパクリ具合で、何を面白いと思って開発者が作ったのか分からないぐらいこのゲームは面白くない。私の感受性が狭いと言われても仕方がないが、それでも「つまらない」と言うしかない作品だった。このゲームを面白いと言えるのは他のゲームをまるでやったことが無い子供ぐらいじゃないだろうか……?

 純粋無垢な子供に戻れる能力が私になく、このゲームの楽しさを評価できなかったのはつくづく力不足であり誠に申し訳ない。

クソゲー…?

 あまりクソゲーという言葉は今になっては、おおっぴらに言いたい言葉ではないのだが、このゲームは「劣化版ランナバウト」という出自を想像してもクソゲーなのではないかと考えられる。

 開発者がオリジナリティを見せようとした部分はあるものの、ベースの完成度があまりに低く空回りしてしまっている。

 ゲームに進行に関して不条理な部分も多く、操作性もあまり良くないことから単純にクオリティが高くないゲームだと感じた。

ダラダラとした紙芝居パート

 このゲームは車を操作できる本編の前にダラダラとテンポの悪い紙芝居パートが入る。

 ただ見せ方は結構斬新で、わりとポップに動くので努力は非常に感じられる。ただ内容はあまり面白くないし長い。

 プレイヤーは車がジャケットに映ってるゲームを買ったら、早速車を運転したいものである。なのにこのゲームときたらこのやたらモタモタこの紙芝居でテンションを下げてくれるのだ。

 キャラクターなんかも90年代後半のプレステらしいキャラデザの少年少女を用意してはいるが、いつまでも操作させてもらえないので個人的に魅力にはならなかった。

 正直に言えばボリューム不足を隠すための水増しにも見えるし、それが悪手になっているのが物かなしい。

操作性がおかしい

 このゲームは車ゲーの中でもリアル系じゃないのは確かだが、操作性がおかしい。

 ランナバウトはバランスのとれいてるゲームだったが、このゲームはドリフトしようとするとアンダーが出て全く曲がれなくなってしまう。

 そしてタコメーターがレッドゾーンに近づいても全くエンジン音が変わらないため、目で判断するしかなくシフトチェンジがめちゃくちゃしにくい。

 しかもコーナーでシフトダウンしようものなら間違いなくやばいアンダーが出るので、シフトチェンジができる意味がまったくないのだ。

 そして最大の問題が「マニュアル」か「オートマ」かは設定で決めるのではなく、ゲーム上で乗り換えることになる車種によって決まるという仕様である。

 このゲームでは「マニュアル」のメリットは一切ないので、なぜこんな仕様にしたのかは全くわからない。

軽い障害物に当たっても吹っ飛ぶ車

 運転面の操作性だけではない。

 このゲーム、何かと街にあるものを壊せと命令されるのだが、それがテーブルだろうがイスだろうがコーンだろうが当たると吹っ飛ぶのだ。自分の車が。

 ランナバウトだと吹っ飛んでもすぐスピードをあげて走れるように設計してあるのだが、このゲームにそんな親切な機能はない。

 どんな重量のない障害物に突撃しても、何トンもある車の方が逆にドカンッと吹っ飛ばされてしまうのである。

 これはクリアするうえで矛盾したアクションかつ非常にストレスで、テストプレイをしていればこうはならないと思うのだが、やはり便乗するために無理なスケジュールの中制作されたのだろう。

 おそらく開発者も大変だったろうし、出来上がったものがこれではあまりにかわいそうである。

車のグラフィックだけはわりと悪くないと思う

 本編はもちろん芳しくない。紙芝居パートも見せ方は頑張っているのだが、グラはそれほど良くないし、内容や長さがやはり1番よくない。

 そんな中で私がいいと思ったのが車のグラフィックだ。

 車のモデリング自体はプレステながらきちんとした造形になってるし、テクスチャもしっかり描かれており、クオリティは結構高いと思う。

 街はスッカスカで壊せるもののもあまりなく、良いとは言えないのだが車のグラフィックだけは他社の作品と比べてもわりといいと感じた。

 ただこの車が自社の内製でなく、フリー素材だとしたらあまりにショッキングなので、せめてこのゲームの為に作られた車達だと思いたい。

なんだあの価格は

 正直このゲームの市場における中古価格はクオリティに見合った額でないと感じる。

 面白さで言えば破壊王 キング・オブ・クラッシャーの方が、尖った作品性から考えても優れているだろう。

 生産数からなる希少性によって価格があがることはあるだろうが、その数が少ないという理由だけでどこかの販売店が値段を釣り上げたのだろう。

 作品が知られていないのをいいことに、そういう値段の付け方をするのはあまり好きじゃない。

 このゲームを買おうか検討している方は、色々な点を考慮したうえで購入した方がいいと私は思う。

------記:2019/10/19 23:03

お役立ちリンク

https://www.amazon.co.jp/dp/B000069UHR/

Amazonの商品ページだ。プレステのゲームをコレクションしているなどの理由でどうしても欲しい人は購入してみてもいいかもしれない。

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www2u.biglobe.ne.jp

開発会社シャングリ・ラの看板タイトルが載っている。調べたところ「鈍色の攻防」は戦車を使ったシミュレーションゲームとして評価が高い。 

破壊王キング・オブ・クラッシャー【ACT】個人的には面白い - GTAなどでストーリーより破壊が好きな人にオススメ

プレステ感想録 破壊王 キング・オブ・クラッシャー

  • タイトル:破壊王キング・オブ・クラッシャー(ハカイオウ キング・オブ・クラッシャー)
  • ジャンル:アクション
  • 面白さ:面白いと思う人は少ないかもしれないが、個人的には面白い

カンタンな総評

 ゲームカタログwikiではクソゲー認定されているゲームだが、私は決してクソゲーではないと思う。まあ良作でもないと思うが。

 操作性に多少の難はあるものの難易度も選べるし、イージーモードなら十分クリアできる。ステージごとに攻略法が用意されており、それに来づければストレスは並のアクションゲーム程度だろう。

 いまだとSteamなんかに似たようなゲームがあるのかもしれないが、プレステで発売された独特の空気感や時代感のあるこの作品は個人的には面白く楽しめた。

 人間状態でプレイできる最初の2ステージが特に面白いので、もっと人間状態のステージが多ければ、世間的な評価も変わったかもしれない。

------記:2019/09/29 13:56

ゲームに向いている人

 GTAなんかでメインストーリーからはずれて、一般市民を殺したり車を破壊し続けたりなど、そういうことに集中できる人には向いてる。GTAではそれをしたところで大して見返りもないが、このゲームではそれがクリア条件になっているからだ。

 主人公の形態が変わると破壊できる対象が大きくなってしまいリアル感が薄まるが、壊す行為にモクモクと没入していける人は、なんらかの恍惚感があって楽しめると思う。

 ノーマルモードでやっても特に特典とかはないと思うので、イージーモードでプレイするのがオススメである。

------記:2019/09/29 13:56

雑感

入手の経緯

 このゲームを超クソゲー2という書籍で見たときから是非やりたいと思っていた。しかし決して高くはないが、中古価格も少しばかりするので他に欲しいモノがあって長い間買わずにいたのだ。

 ある日、ホントは別のゲームをブックオフへ買いに行ったのだが、目的のゲームは置いていなかった。そこでプレステ棚を漁っている時、偶然見つけたのがこのゲームだった。

 前々から欲しいと思っていたし、実物のパッケージを初めて見るとこれが中々インパクトがあっていいじゃないか。そんなめぐりも合わせあり、無職だったのだが本ゲームを合わせ3本買ったのだった。

 ちなみにその内のひとつがリターン・トゥ・ゾークというゲームである。

このゲームは『クソゲー』か?

 長年プレイを夢見ていたゲームだったが、ゲームカタログwikiではクソゲーだと記載されているので少し不安はあった。しかし実際にプレイしてみればゲームが合うか合わないかは人それぞれ、私にとってはまったくクソゲーではない。

 かといってベタ褒めできるほどのゲームではないが。

操作性は悪いが、そこまで悪くない

 操作性が悪いと散々酷評されているゲームだが個人的にはそこまで悪くないと思う。もちろん良くはないのだがプレステのゲームだし大目に見れる程度の部類ではないだろうか。

 このゲームの操作性を酷評する人は闇雲に何も考えずガチャ押しで進めているような人ではないだろうか。このゲームでは各攻撃に当たり判定があり、破壊するターゲットを判別し、それぞれに適した攻撃を繰り出さなければいけない。

 あくまでこの作品はゲームなので、状況に適した判断が自発的なプレイ感を増幅させ、ゲームへの没入感を高める。それこそ何も考えずガチャガチャ押してクリア出来るようでは単純にスグ飽きてしまうだろう。

 とりあえずボタンを連打していれば大量の敵を倒せる真三國無双のようなゲームを期待していたのかもしれないが、自身の勝手な期待によってゲームに歩み寄ることなく、クソゲーだと認定してしまうのはあんまりである。

 試したことはないのだが一見の無用の「しゃがみ」もミサイルを避けるのに使えるかもしれない。この事から考えても無思慮にアクションが割り当てられているのではなく、ちゃんと設計されて作られているのが分かるだろう。

 ただ「クソゲー」だと言われることでプレイしてみたくなる人もいると思うので、作品での宣伝効果として一長一短があることは否めない。

キャッチコピー問題

 本作にはパッケージの裏に

「総てのモノをブチ壊す」エキサイティングフィールドは、究極の「ストレス発散ゲーム」として、お楽しみ頂けます。

 と書いてあり、この点がゲームカタログwikiでも非難されている。

 しかし、こういうゲームのパッケージの文章を考えたりするのはゲームの開発陣ではなくゲーム売る販売部門の仕事なのだ。なんでもかんでも開発陣の好きに作品を彩ることができると思ったら大間違いである。

 かのLSDの有名なキャッチコピー「こんなのゲームじゃない」も責任者である佐藤理氏が考えたのではなく、販売部門の人が考えたものだ。あんなにアート的に素晴らしく設計されたゲームを、台無しにするようなキャッチを自分でつけるワケないだろ。

 ここで頭に入れておかないといけないのは、基本的にどんな会社でも開発部門より販売部門のほうが力が強いのである。それはまるで狩りに出る男が優位な原始社会のように、子供(商品)を作る側は女々しく弱い。(例外の会社ももちろんあるだろうが)

 とくにLSDなんかは開発(アウトサイドディレクターズカンパニー)と販売(アスミック・エース エンタテインメント)が別会社。販売は出資を兼ねてるところも多いので、当然力関係はより開発の方が貧弱だ。

 ゲーム作りに関しては門外漢なので販売部門もそんなに口を出せないだろうが、ことパッケージは売上に大いに関わる工程。それを率先して進めていく販売部門に「いやそれはこのゲームが表現したい事と違うから」と言ったところで「こうした方が売上が上がるんだ!」と言われてしまえばぐうの音も出ないだろう。

 なのでストーリー的に考えても開発陣がただの「ストレス発散ゲーム」として作ったわけで無いのは見ての通りだ。

 外面的な情報を真に受けるのではなく、実際にプレイしてどんな作品だったか汲み取ることが大切なのではないかと自身の戒めを込めて考えた。

クリア特典(無敵モード)が欲しかった

 正直このゲームをクリアした時いわゆる「クリア特典」を期待したのだがなかった。

 何もなかったのでガッカリしたが好きな最初の2ステージを再度クリアして私はゲームを終えた。

 このゲーム、やはり難しいステージもあるので無敵モード的な、自由にじっくり壊しまくれるモードが出来れば楽しいなと思ったのだ。まあ最初からそんなモードがあってはつまらないが、クリア特典としてなら欲しいところ。

 開発陣自身がこの作品を過小評価していたのかもしれないが、私をこのゲームを大いに楽しめたので、この要素がなかったのは素直に残念だった。

国会議事堂が固すぎる

 なぜ無敵モードが欲しかったのかと言えば国会議事堂を壊すステージが難しいのだ。

 なんか知らないけど見た目はすごい壊れてるのに、全然ステージクリアにならない。煙がもうもうと立ち込めて、操作キャラクターも見れない中で、ひたすら殴る蹴るを繰り返してワケも分からずクリアした記憶がある。

 あのステージと東京タワーのステージが難しく、他にも木をひたすら壊す中だるみステージがあり、これらからもう1度周回したいとはどうしても思えないのが正直なところだ。

森林破壊ステージは面白くなかった

 途中で恐竜になりひたすら森林を破壊するステージがあるのだが、あそこは全く好きになれなかった。

 森林破壊自体好きじゃないのもあるが、壊すの木ばっかりで何も楽しくないのだ。

 こういう破壊ゲーではやはり人類の文明的なモノを壊すのが楽しいんじゃないだろうか。たとえば身近な家具とか電化製品はもちろん、最悪ビルそのものでも人間が築き上げたモノに対する不満が無意識にあるからこそ楽しいのだと私は思う。

 現代に木や森へ恩恵は感じていても「ムカつくぜ」「切り倒し尽くしてええ~~」なんて考える人はどれぐらいいるだろうか。鬱蒼とした自然に悩まされて暮らす人々なら分からないが、日本ではいても数えるぐらいしかいないだろう。

 ステージとして微妙に広くて中だるみしてるし、もう少しあそこは短くして欲しかった。

ストーリーは個人的に○(ネタバレあり)

 ストーリーの点に関しては個人的に良かった。ああいう鬱屈した意味不明な展開は90年代後半を感じさせる好みである。

 平凡でイケメンでも優秀でもないサラリーマンが、謎の虫にそそのかされ破壊の限りを尽くす。最後は自由の女神という象徴的な存在と戦い、赤ん坊が天から降りてきて、それを破壊するかどうかは自分次第。

 まああまり深い内容ではないかもしれないが何かを感じさせる内容になってはいるだろう。

 ただ説明書を読むと形態ごとにシヴァだったりヴィシュヌだったりインド神話に関連する名前がついているのはどうかな。

 シバァは「破壊」と繋がっており、司馬 九造(しば くぞう)という主人公の名前から関連してるからいいとしても、ヴィシュヌやブラフマーはそれぞれ「維持」と「創造」に深く繋がっている。

 もし裏設定があるにしても作品上見えてこないし単純に浅はかで衒学的な借用として私の目には映った。その程度なら名前は機能を表す程度にした方が良かっただろう。この点はどうしてもマイナスである。

人間は倒せなくても、なんとかなった方が良かった

 敵として戦闘機やら戦車やら登場する本作だが、序盤の敵はもっぱら人間である。

 ただこの人間がクセもので壊せないのは当たり前で攻撃すら当たらないのだ。近寄れば離れた位置に移動するぐらいはするのだが、いかんせんまたそこから銃を発砲してくる。

 まあレーティングとして倒せないのはしょうがないとして攻撃された画面から消えるように逃げていくとか、怯えてかがむとか、震えて硬直するとか、対策は色々できただろうになぜ攻撃を当てられなくしてしまったのかは分からない。

 最初は人間にも攻撃を当てられるようにしてたんだろうが、途中で仕様変更を伝えられ反抗的に「こうすればいいんでしょ?」的な感じで、人間キャラをプログラマが無敵にしてしまったんだろうか。

 もしそれが開発終盤だとしたら事情は汲めるが、それでも他にやり方はあったろうに……。はっきり言ってこの点は全く擁護できない。

それでも序盤のステージが最高

 このゲームが気になっているが、ゲームカタログwikiを読んで遠ざけている人は安心してよい。私はあの記事に書いてあるのと全く逆の感想だ。このゲームは序盤の方が面白い。

 難易度はもちろんイージーモードがいいだろう。そうすれば体力の減りや厄介な敵の攻撃に悩まされることは無い。そうして憂いをなくしてプレイすれば序盤こそ身近なモチーフばかりで非常に楽しいと気付けるはずだ。

 自宅でテレビを壊し、テーブルを壊し、キッチンを壊し、ラジカセを粉砕。窓を蹴り破って、愛していた妻子も粉々にする。この光景はゲームでありながら脳にじわりじわりと煮え立つものがあり爽快だ。

 次のステージは自身の勤め先。デスクを壊し、テーブルを壊し、高級品のパソコンだって壊しまくる。社長室のソファも机だってボロボロにできるのだ。

 現実は得られないこの感触はなんとも爽快である。

 パッケージ表面にある「サラリーマン、壊しまくり。」というキャッチに表された内容もここまで。その後の主人公はモンスターになってしまう。

 ただモンスターになってからも他人の家を破壊できたり、コンビニをむちゃくちゃに出来たりは楽しい。

 しかしキャッチコピーを考えた人も序盤のステージが気に入ったからこそ「サラリーマン、壊しまくり。」なんて付けたんだじゃないだろうか。

 そう。何気ない顔で日常生活を過ごしている人の中には、自分の家だというのにイライラをぶつけ壊して回りたい人がいるのだ。勤め先が何となく気に入らなくて、机を蹴り上げてPCモニタを叩き割って、庵野秀明のようにロッカーをボコボコにしたい。そんな欲望を胸の奥の、奥の、奥深くにしまい込んで生きている人たちがいるのだ。

 「俺が生きたかった未来って、こうじゃなかった」

 ただ壊したいからじゃない。幼い頃に思い描いた未来と違う、この目の前に広がる現実を白紙に戻せるなら戻したい。そんな叶わぬ夢が屈折した願望だ。

 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』のように子供時代に想像してた現実と、違う世界に住んでる人たちがいる。しかし自身の信じていた世界が崩壊したとしても、新しい世界を受け入れる「優しさ」に私は感銘を受ける。

 まるでフィリップ・K・ディックが描く極限世界におけるような優しさだ。

 このゲームもそのテイストを感じられた。それもあって私はこのゲームをクソゲーだとは思わない。確かに難なところはあるが「クソ」ではないだろう。

 満場一致で良作とは言えない本作だが、何か感じるものがある良いゲームである。

------記:2019/09/29 16:39

お役立ちリンク

w.atwiki.jp

 こちらへの反論ばかりになってしまったが、説明書にない操作方法など攻略に役立つ情報も載っているのでプレイしようと思っている人には読んでみると良いだろう。

MYST(ミスト)【ADV】人を選ぶ面白さ - シンプルで難しすぎない謎解きが気持ちいい

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  • タイトル:MYST(ミスト)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 面白さ:人を選ぶが十分ハマれるし面白い

カンタンな総評

 投げっぱなしのゲーム性から間違いなく人を選ぶ作品。まずゲーム世界に興味を持つことが不可欠だが、意味が分からないなりにプレイを続ければとても楽しめるゲームである。

 快適にプレイするなら、詰まったときに攻略サイトを見つつ進めるのがオススメだが、時間をかければ自力でクリア出来るちょうどいい難易度だと考えられる。

 操作性にじれったくなることはあるがシンプルかつよく出来た設計でとても面白いゲームである。

------ 記:2019/09/28 22:46

ゲームに向いている人

 心にゆとりのある人。たとえば何をしても頭から離れないほど苦しい出来事があったり、集中してゲームをできる環境にない人はMYSTを楽しめないかもしれない。

 MYSTを楽しむにはこのゲーム世界に興味を持つことが何より大事で、没入できればできるほど良い。でなければどんな謎を解いても「それがどうした?」で終わってしまうだろう。

 しかしそんな謎解きがMYSTの世界へ深くいざなってくれるのもまた然りである。

------ 記:2019/09/29 3:35

雑感

 購入のきっかけ

 これを購入したのは学生時代にブックオフで見かけた時だと思う。たしか価格は100~300円台くらいで、続編のRIVENと一緒に買った。RIVENはとても大きな紙製の箱でカッコよかった記憶がある。

 このMYSTに興味を持ったのは当時、過剰にプレステのゲームソフトを集めており、この作品が有名だったからだ。だから「おっMYST売ってる。有名だし買おう」ぐらいの軽い気持ちで買った。

 その当時は積みゲーが山のようにあり、別にクリアしようが出来まいがどっちでも良かったのだ。

投げ出してから、今回プレイするまで

 たしか買ったその日にプレイして10分で辞めた。いや5分だったかもしれない。何はともあれ意味不明過ぎたのだ。いきなり謎の世界に投げ出されて、何も告げられもせず彷徨えというのだから無理もない。

 当時わたしはドライバーズ・パラレルラインというPS2のゲームにハマっており、そそくさとそちらに切り替えたのだ。あのゲームはいま思い返しても最高のゲームのひとつだった。

 それからなので多分4,5年は経ってるんじゃないかと思われる。ジモコロの記事で読んで「またプレイしてみようかな」と思いはしたものの、結局その時はプレイせず、また長い時が流れた。

 このゲームをプレイする直接のきっかけはリターン・トゥ・ゾークというゲームを最近買ったからだ。これもプレステのゲームなのだが、このゲームもちょっとやっただけで辞めた。冒頭から前途多難がゲームになったとしか思えない出来だったのだ。

 リターン・トゥ・ゾークはMYSTを思わせるアドベンチャーゲームだった。まぁカーソルを動かすタイプの洋ゲーアドベンチャーといった共通点しかないかもしれないが。

 このゲームを少しでもプレイしたおかげで「そういえばMYSTってあったな…MYST、またやりたいな」という思いがわき、今回プレイするに至ったわけだ。それでかなり楽しめたからリターン・トゥ・ゾークを買ったのも無駄ではなかった。

クリアするまでと難易度について

 だいたいクリアにかかったのは3日ぐらいだ。いま私が働いてないのもあるが、思ったよりはるかに早くクリア出来た。

 もちろん攻略サイトを見ながらのプレイだったので長時間詰まらずプレイできたのが大きいだろう。

 そうしたゆるプレイをしながら思ったのは、おそらく誰でも長い時間をかければ攻略情報を見なくてもクリアできるだろうという点だ。

 あらゆるところでボタンを押していく必要があるが、このゲームに没入していけば必然とそうなる。だから最初は「色々なところをクリックするんでしょ?」という仕方なく遊んだ脱出ゲーム並のテンションでも、しばらくすると自分から色んな場所を調べるようになっている。

 アドベンチャーゲームにありがちな、「〇〇のアイテムを使って」や「□□のアイテムが必要」など複雑な要素が絡まず、各々のフィールド内で完結するシンプルな設計なのも相まって、難しすぎないちょうどいい難易度を保てていると言えるだろう。

操作性は良いか悪いかで言ったら良くはない…

  ただ操作性に関してはあまりいいとは思わなかった。だけど開発陣も努力はしてると思う。どこでもセーブできるし、オプションでアニメーション効果を切れたり、Zipモードという移動短縮機能もある。

 しかしリアルタイムで移動出来ない静的アドベンチャーはどうしても画面が退屈なのだ。画面が切り替わるたびにちょっとしたロードがあり、長くプレイしていく内にレスポンスも気になってくる。

 さらに止まった画面ゆえの1番の弊害は行きたいところへ行けない、見たいところを見れない点だろう。

 空間把握が必要なところがあるのだが、自分がどこにいるか知ろうと周りを見渡したくても出来ないのはフラストレーションが溜まる。(そういうステージでも地図のヒントがゲーム上にあるなど配慮はされているのだが)

 向きたいと思った方に向けずに、予想していた方向と違う向きになるなど、MYSTが持つゲーム性ゆえの難点を擁護することは難しい。

 こういった操作感の未熟さはプレステというハードではよくあるし仕方のないことではある。しかし、面白いゲームほどこういったちょっとの引っ掛かりが気になるのものである。

 つまり操作性にちょっと難があったとしても、MYSTは十分面白いゲームなのだ。

------ 記:2019/09/29 1:26

タワーローテーションって直訳すぎない?(多少ネタバレあり)

 アトラスと桟橋の秘密の部屋で会うとこあるじゃん?

 「アクセスキーがわからなければ、タワーローテーションを思い出してほしい」みたいなことをいうとこなんだけどさあ。

 あれって「塔を回転させてみて欲しい」って訳せば良かったんじゃないかと思うがどうだろう。

  日本人はカタカナ語を聞くと、どうしてもひとつの単語として聞いてしまうきらいがある。だから最初に聞いたとき「タワーローテーション?なんかどっかにワープする装置なんだろうな」みたいに思ったわけだ。

 けっこう違くてタワーローテーションっていうのは、塔を回転させてヒントを得ることなのだ。さらに言えばアクセスキーもただのヒントでその先にさらなる謎解きがあったりする。

 つまり「アクセスキー」「タワーローテーション」と直訳されちゃってるけど、「次に進む鍵」とか「塔は回転するんだ」みたいに訳しとけば良かったじゃないだろうか。

 直訳になってるせいでローカライズの際に余計な混乱を生んでしまっている気がするが、これで困ったのはひょっとして自分だけかもしれない。

他のゲームとの比較

 最初のMYSTが発売されたのが1993年、夢見館の物語も1993年。

 どちらも似たような形式のゲームだけどアドベンチャーゲームの形式というのはポートピア連続殺人事件しかりシャドウゲイトしかり、そんな昔からすでに連なっているものである。

 MYSTも夢見館の物語もアドベンチャーゲームの形式からメチャクチャはずれているわけではないので偶然同じ3DCGを使ったアドベンチャーゲームが出来たのだろう。

 ジモコロの記事でもゲームカタログwikiでもMYSTのグラフィックは褒められていたけど、1990年代のプリレンダリング系のゲームとしては個人的に特別な思いは感じなかったなあ。モチーフの選び方とか場面の描写とかはきれいだったけど。

 なんならグラフィックで言えば後発のDの食卓の方がキレイだ。もちろん発売された当時にプレイしたわけではないが、プレステなのに美しいグラフィックに驚いた記憶がある。

 この点に関してPS版MYSTは、なんだかんだ移植なので当時のCG技術の最先端ではなかったのも大きいと思われる。

 夢見館の物語もDの食卓も確かにMYSTと似ているのだが、コンセプトなどを考えると結構似ているなと思ったのはクーロンズ・ゲートだ。

 あれもプリレンダリングをふんだんに用いたゲームで、九龍城砦をモチーフにした世界を歩き回るのが面白い。最初は怖いのだが、慣れると細部まで凝りに凝って作られており見るだけで結構楽しい作品なのだ。

 ジモコロの記事にある

Cyanの考え方は、まず『MYST』の世界を散策して、雰囲気を楽しんで欲しい、と。楽しむ過程でクリアもできたら良いよね~くらいのスタンスなんです。

 という箇所を読んで、クーロンズ・ゲートも世界観を楽しむゲームなのでよく似ていると感じた。

 クーロンズ・ゲートMYSTに影響を受けたんじゃないかと思えるほどシュールレアリズムを思わせる風景の場所があり、ゲーム間の連続した流脈を垣間見たようで中々よい気づきであった。

 ただMYSTは個人的にグラフィックで言えば没入感はそれほどだったので「散策」という面はあまりしっくり来なかった。もっと今風のすごい美麗なCGでリアルタイムで動けたら相当ハマるかもしれない。

 MYSTを自由に動けるようにしたreal Mystも発売されているが、あれはかえってCGが劣化してるんじゃないか?と思ってしまった。Youtubeで見ただけだから実際にプレイしてみると案外わるくないのかもしれないが。

没入感を阻害する点

 クーロンズ・ゲートMYSTの違いは操作性の自由度の違いだ。

 クーロンズ・ゲートはプリレンダリングを用いたシーンだけで言うなら、○ボタンを押す以外やることはほぼないのだ(アイテムを使ったりはあるが)。だからシーンが移動したらとりあえず○ボタンを押せばいい。

 しかしMYSTは違う。

 MYSTはシーンを移動すると全ての箇所にカーソルを合わせてボタンが押せるのだ。しかしボタンを押せたとしても反応があるわけではない。

 ここでMYSTのプレイ感に「あれができそう、しかし本当はできない」という阻害が発生してしまうのである。つまりクーロンズ・ゲートの方ができる操作は少ないにも関わらず、直前まで期待していた自由度をないがしろにされるが故にMYSTの体感的自由度を下げてしまっているのだ。

 これは逆にプレイヤー自身が思考の中で狭めていた自由度を破った際にも発生する。

 MYSTにおけるゲームシステムのルール破りが顕著なのは、エレベーターのボタンを押すシーンで途中でも外に出られる場面であろう。

 MYSTの他のシーンでは「何かが起こってる」際には基本的に操作は受け付けない。しかしこのシーンでは例外にエレベーターから外に出られてしまうのである。これが個人的にはあまり快くない点であった。

 他ではこういった操作は受け付けていないのに、ここだけそのゲームが築き上げてきたシステム的ルールを破るのはハッキリ言ってゲームのリアル性を奪ってしまう。

 その点クーロンズ・ゲートでは一貫して○ボタンしか押せないので出来ることは少ないにも関わらず、リアル性とそれに付随する没入感が保たれていたのである。

 MYSTはこれらの点に関して「行きたいのに行けない」「見たいのに見れない」「調べたいのに調べられない」が多くて『散策』するゲームとしてはゲームデザインがまだ甘かったように思えてならない。

 ただこちらのGIGAZINEの記事にあるようにMYST自体がアドベンチャーゲームを変えたことも考慮すれば、起点になったゲームとしてプリミティブな点があるのは仕方がないと言えるだろう。というかむしろ無い方がおかしい。

 前述したとおりZIPモードといった優れたオプション項目や、シンプルでプレイ感のよい設計は起点となる作品として考えればかなり洗練されたものである。

 キレイな壁の方が少しの汚れが目立ってしまうように、よく出来ているからこそちょっとした「アラ」が惜しくなってしまうのだ。

 つまり何度でも繰り返すがMYSTは面白く素晴らしいゲームであるのは間違いない。 

ちょっとした考察(ネタバレあり)

  せっかくなので考察も書く。

 途中で考えたのは主人公はアトラス(お父さん)が困難を解決するために旅立った先、つまり別の世界の住人だった。しかしアトラスは死んでしまい、主人公は2人の息子を助ける使命をたくされミスト島に来たのだった。

 しかしアトラスは生きてるし、見当たらない理由は2人に本へ閉じ込められてるからだった。しかも2人は自身の貪欲のせいで本へ封印されたわけで、予想は全くはずれてしまった。

 まあ途中でふたりとも嘘をついているのが丸わかりだったので、最後は真っ先に緑の本を選んだんだけど…。本当のことと言えばシーラス(息子1)は欲張りな性格で、アクナー(息子2)は残忍な性格だとお互い悪口を言い合っていたことだけだろう。

 最初のオープニングやゲーム世界から考えると、MYST島へ繋がる本は実はたくさんありそうだ。チャンネルウッド、セレーネ、メカニカル、ストーンシップ。それぞれの時代にMYST島へ戻る本があったように、主人公がいた時代(世界)にもMYST島へ繋がる本があったのだ。

 MYSTの世界はSF的な要素を多分に含んでいる。だからゲーム内の時間はどれぐらい経っているのかわからないし、ひょっとしたらMYST島は私たち住む世界にある時間の流れとまったく違った、静止したような『時』を持つ世界なのかもしれない。(もしやアトラス家族は時間を止める技術を有している可能性もある)

 そして1番ワクワクする展開として考えたのは主人公は冒険家だという事だ。もしかしたら物静かな人類学者や民俗学者かもしれない。

 主人公のいた時代にMYST島へ繋がる本が落とされたのは太古の昔のことだ。この本には恐ろしい言い伝えがあった。この本を開き、触れた者は神隠しにあい、二度と姿を現すことはないという。

 そういった他言無用の言い習わしと共に封印された本は、言い伝えだけが風化し、本だけが宝物として残った。厳重に保管されすぎた結果、砂に埋もれた王の墓のように誰に触れられることなく長い年月を孤独に過ごしたのだろう。

 それを見つけ出したのが主人公だった。

 重苦しい空気を振り払い、魔除けが刻まれた外箱をはじめ幾重にもなる宝箱を開ける。経年劣化によりボロボロとなった絹の包みを広げると、古代には似つかわしくないアルファベットで「MYST」と刻印された一冊の古びた本が現れた。

 「おかしい。こんな場所でアルファベットなんて――――」

 ふとそう浮き上がった疑問は期待によって一目散に頭の隅に追いやられた。

 「世紀の発見になるかもしれない」

 本のフチにそっと指を触れる。手に弾力が伝わるほどの確固とした形があった。思わず震える手で本をつかみ持ち上げるとずっしりと重く、意外な出来事に脳がビリリと痺れた。

 紙で出来た本の寿命は長くて1000年。ふつう無情な時に晒され続ければ腐敗し崩壊してしまう。少し触れただけでバラバラなるほど痩せこけてしまうモノなのだ。

 「どこかのペテン師にしてやられたか?――――」

 そんな疑念も激しく戸を叩くように内側から胸を殴りつける鼓動を抑えられはしない。

 本を開く。写真。

 「写真?写真か――――」

 写真なんて。突然の落胆に顔が青ざめていく。何が楽しくてこんな安っぽいイタズラを。

 かえって怒りすら沸かない心中に、ドロドロとした暗雲が広がっていく。

 「こんな写真さえなければ――――」

 自身の帰らぬ時を巻き戻すべく、写真を剥がそうと指を触れる。

 急なことで明るさに目がくらんだ。

 桟橋。海。波の音。かもめの声。いま「私」は「ここ」としか言いようない場所に、立っていたのだった。

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 という感じで考えてみた。もしこんな主人公だとしたら元の世界に帰れないことを知った時は絶望だろう。とりあえず言われるがまま赤と青のページを探すが、どんな感情で探していたのか考えるとゾッとする。それはまるでMYSTに広がる寂しい世界のように知りようのない虚無の世界であったろうから。

 まあプレイするこっちはワクワクしながら楽しませてもらったんですけどね。

 いやあホントに面白いゲームだった。とてもプレイ出来て良かったと思う。

------ 記:2019/09/29 3:35

お役立ちリンク

www.e-aidem.com

ジモコロにあるサン電子の人へのインタビュー記事だ。MYSTを好きなライターが書いているだけに、この記事を読めば「MYSTってそんなに面白いのか」と期待が膨らむのでプレイする前や、ダレた時にオススメ。

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https://www.sun-denshi.co.jp/soft/iphone/myst_jp/mysthints/index.html

MYSTを販売しているサン電子さんの公式ヒント集。ちょっとずつヒントを出してくれる仕組みで自分で解く面白さを残しながらゲームを進めることができる。詰まった時にこれ読めば快適にプレイできるだろう。

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umi-ao.mimoza.jp

こちらは個人の人がやっているMYSTの攻略ページ。とても読みやすい構成で、公式より核心的な情報が多いのでどうしてもわからなければこちらを読むといい。スタッフロールの出し方も書いてあるので、クリアしたけど「何も表示されなくて味気ねぇ…」と感じた人はぜひ読んで欲しい。